お客様の入会目的を把握する

フィットネスクラブのスタッフがお客様が入会された後にまず行うことは、

『お客様の入会目的』

を把握することです。

どのようなフィットネスクラブでも入会するからには、必ず理由があるはずです。

入会時のアンケートなどでは、明確に記載されなかったり、スタッフが

「どうして始められたのですか?」

と聞いても恥ずかしがってか、明確に入会理由を話したがらないお客様もいらっしゃいます。

ひょっとすると、本当に理由なく、“なんとなく”で入会された方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、私は、入会時の目標設定が非常に重要だと思っています。

なんとなく、始めたものであっても、

「こういうことが出来るようになりますよ!」

「こんなことが出来るようになりたくありませんか?」

と未来を想像できると、お客様のモチベーションや来店率は上がり、退会率が下がります。

入会目的がないというお客様には、まずは、とりあえずでいいので目標設定を行っていただきましょう。

そんな気はなくても、言葉で聞いたり、何かに書いたりするだけで、意識がそちらに向く方もいます。

入会目的を把握していないと…

私が初めてゴルフスクールに通った時のことです。

もう20年前になりますが、ゴルフを始めたものの練習場に行っても全くボールを真っすぐに打つことが出来ず、

「これはきちんとプロから教えてもらおう」

という気持ちになったためです。

その時も、レッスンプロから入会目的を聞かれました。

本当の目的は、

“1年以内にスコア100を切って、3年以内には、スコア70台でプロゴルファーとコースを回れるようになる”

ことでしたが、ボールにクラブをまともに当てることも出来なかった私は、本当の目的を言うのが恥ずかしくて、

「7番アイアンで150ヤード飛ばせるようになりたいです」

と言ってしまいました。

私は、その後、直ぐにそう言ったことを後悔しました。

4人1組のグループレッスンでしたが、どうやら入会目標の内容でグループを決められたようで、

私は60代の女性ばかりのグループに入ることになりました。

約1か月で150ヤード飛ばすという目標は達成し、その後は何ともゆる~いレッスンで、

他の参加者はゴルフを学びに来ているというより、コミュニティとしてお喋り相手を探しに来ているといった様子でした。

直ぐに他の生徒さん達との温度差が出来てしまい、レッスンプロも気づいていたとは思いますが、

3カ月の期間限定の短期コースでしたので、指導方法を変えることはありませんでした。

私は、数回のレッスンを残してそのゴルフスクールに行くことを辞めてしまいました。

これは、私がええカッコして本音を言わなかったのが悪いのですが、

今でもこの話を私たちが経営運営するスクールに置き換えてみたときに考えるべきことがあるのでは?

と思い出されます。

頭の中で映像としてイメージ出来るものは、人は自然とそれを意識するようになる

「これくらい頑張れば、こんなことが出来るようになりますよ」

とお客様が頭の中でイメージすることが出来るようにして、

「〇〇さんは、どこを目標にされますか?」

と目標を意識してもらうようにすることをお勧めします。

気軽に始めたものの、ハマってしまい、途中から本気になる人もいます。

逆に、本気でやろうと思っていたが、思うようにいかずに、目標が高くてプレッシャーになる人もいます。

フィットネスクラブのスタッフは、定期的にお客様の目標確認が必要です。

上手くなるつもりはあまりなく、ストレス解消だけで、通っている人や

仲間づくりのために通っている人に、細かい指導をすると、煙たがられます。

逆に向上心のあるお客様は、何もアドバイスがないと、物足りなさを感じます。

スタッフ全員が、お客様、お一人お一人の目標を知った上で、接客し、その情報をスタッフ間で共有していれば、

素晴らしい、退会防止策となるはずです。

フィットネスクラブ内での目標設定を一度見直してみてはいかがでしょうか?

そもそも目標設定が必要かどうか見極める

本日は目標設定のお話でしたが、目標を作られることを嫌う、お客様も存在することを知っておく必要があります。

1年に1回来店するようなアクティビティ的なスポーツ施設や何年かに1度来店するようなサービスであれば、

お客様の目標設定はそれほど重要ではありません。

試験や、発表会、試合のないスクールは、お客様の継続率が低くなります。

フィットネスクラブに幽霊会員が多いのは、このためだと考えられます。

自身の運営するは、フィットネスクラブ目標達成型なのか?

所属の欲求を満たすものなのか?

まずは経営者、店長が理解しておく必要があります。