従業員がマスクを着用しているジムとしていないジムに売り上げや来店者数の違いがあるか?

あるフィットネスクラブのGoogleビジネスプロフィールの口コミに

「いい加減にスタッフのマスク着用をなくして欲しい」

というものを見つけました。

続けて読むと「見ていて気持ち悪いし暑苦しい」とのことでした。

これはあくまで一投稿者の意見に過ぎませんが、本日は、従業員がマスクを着用しているお店とそうでないお店で売り上げや来店者数に明確な違いがあるかどうか?

について考えてみたいと思います。

マスク着用のメリット

コロナなどの感染症への懸念が高い時期には、従業員がマスクを着用していることで、顧客に安心感を与え、来店意欲を高める可能性がありました。

特に高齢者や基礎疾患のある層にとってはその傾向が強い可能性が高いです。

また、感染対策をしっかり行っているという印象を与え、企業の信頼性や顧客への配慮を示すことに繋がることも考えられます。

従業員の健康管理を重視している姿勢を示すことで、顧客に安心感を与える可能もあります。

顧客に医療従事者や介護従事者がいる場合は、今でも安心感を与えることができていることも考えられます。

マスク非着用のデメリット

しかし「いつまでもマスクを着用しているのはちょっと…」という考え方があることも確かです。

マスクをしていないことでデメリットはあるのでしょうか?

従業員がマスクをしていることで無表情に感じられることでホスピタリティ面でデメリットがあることも考えることができます。

話している内容がマスクのために聞こえにくいということもあります。

従業員の表情が見えることで親近感が増し、顧客とのコミュニケーションが円滑になる可能性があります。

特に接客を重視するフィットネスクラブやジムでは、マイナスに働いてしまう可能性があります。

マスク非着用のメリット

マスク非着用の従業員が多いことでジム内全体が明るく開放的な印象になり、入りやすさを演出する可能性もあります。

そして何よりもコスト削減になります。

大規模なフィットネスクラブであれば従業員の数も多くなります。

企業側が従業員のマスクを購入しているとかなりの購入費用がかかります。

既にマスク着用は個人の判断に委ねられており、社会全体としてマスクに対する意識は変化しています。

このような状況下では、従業員のマスク着用が売り上げや来店者数を大きく左右する要因ではないと考えます。

むしろ、飽和したフィットネス市場で生き残るためには、以下のような要素の方が重要になると考えられます。

・価格競争力

低価格フィットネスが大頭している今、魅力的な価格設定は重要ですが、安さだけでは差別化が難しくなっています。

・商品・サービスの質

顧客のニーズに応える高品質な商品やサービスを提供することが最も重要だと考えます。

低価格フィットネスも顧客単価をアップするためにパーソナルトレーニング、食事の宅配、プロテイン販売、肌診断、健康診断など様々ものを導入しています。

・環境向上

無人フィットネスでは清掃状況や会員のマナーが問題となっています。

清掃をしっかりと行いうことはもちろん、快適なジム内環境を整え、有人フィットネスの場合は丁寧な接客、スムーズな見学や体験、入会退会休会等の各種手続きをスムーズにできる取り組みも重要となります。

また、タイパという言葉がよく使われる今、WEB上でも誰でも簡単にオンライン販売、混雑状況確認、予約システム、動画などの情報収集などができるようにデジタル技術を活用することも重要です。

・独自の強みやコンセプト

どんどんフィットネス参入企業が増えますが、どこも変わり映えしないのが現状です。

他のジムにはない独自の強みや明確なコンセプトを持つことで、顧客の記憶に残りやすくなります。

結論としては、従業員のマスク着用が直接的な売り上げや来店者数の大きな違いを生むとは断言できません。

それよりも、フィットネス業界が考えるべきは、提供する価値そのもの、そして変化する社会や顧客のニーズに柔軟に対応できるかどうかだと思います。

とはいえ、感染症がなくなった訳ではありません。

昨日会っていた人が次い会った時に「コロナになった」という話は今でもあります。

従業員が体調不良で欠勤することは生産性や売り上げを上げることになります。

医療とフィットネスを融合したメディカルフィットネスやリハケア等のジムにおいては、やはり今でも従業員のマスク着用が必須かと思います。

フィットネスクラブ、スポーツジムは、自身の顧客層や業種の特性、そして社会の状況を総合的に判断し、適切な対応を検討していく必要があります。