俗にいう「2025年問題」というものがあります。
これは、日本に約800万人いるとされる「団塊の世代」(1947~1949年生まれ)が75歳以上の後期高齢者になることで起こるさまざまな問題の総称です。
現在も日本の人口の約30%が60歳以上とも言われています。
私の住むエリアのあるフィットネスクラブは、そもそもフィットネス初心者と高齢者を対象に集客していましたが、コロナで高齢者会員が退会したのか、突然、チラシが今までとは異なり、20~30代を対象にしている内容に変わりました。
しかしながら、私は個人的には、一昔前に「フィットネスクラブ3種の神器」と言われた、プール、マシン、スタジオのあるフィットネスクラブは、高齢者、シニア層を対象にした集客に力を入れるべきではないかと考えています。
フィットネスクラブは、24時間営業、無人、AIの導入、独自のプログラムやサービスの提供と様々な差別化を図り運営していますが、60歳以上の集客を成功させたクラブが生き残っていく可能性が高いのではと考えています。
高齢化が進むことで娯楽領域に生じる事業機会は何か
先述にフィットネスクラブは様々なサービスを提供していると書きましたが、私個人的には、20~30年前からビジネス的には時が止まっているようにも感じています。
IOT化しているクラブもありますが、時期を絞って入会金や1か月目の会費を無料にして集客するくらいで、その後は継続していただく方策や退会防止などには無頓着であるように感じています。
フィットネスクラブは運動の場を提供する以外にも高齢者が集まる工夫が必要だと思います。
多くの高齢者が趣味として行っているものはどのようなものがあるでしょう?
ぱっと頭に浮かぶものだけを書きますと、映画鑑賞、ガーデニング、園芸、読書、美術鑑賞、写真撮影、登山、絵画、書道、楽器演奏、クラフト作り、DIY、カラオケ、観劇、スポーツ観戦、編み物、手芸、国内旅行、海外旅行、パソコン、プログラミング、SNS、語学、資格取得、ボランティア活動、絵手紙、料理、脳トレ、数独、ナンプレ、クロスワード、eスポーツ、筋トレ、スポーツ、ラジオ配信、動画配信、生き物飼育、起業などが思いつきます。
これらはデイサービスやサービス付き高齢者向け住宅でも提供されているところも多いです。
でも、「デイサービスには行きたくない」「行く必要がない」という層も存在します。
シニア市場の規模は100兆円を超える見通しですので、「医療・医薬産業」「介護産業」「生活娯楽産業」がフィットネス業界のライバルであると考えて良いと思います。
フィットネスクラブは、益々、固定概念をなくし、他フィットネスクラブとの差別化を図る時代ではないでしょうか。