繁盛店を作るのは現場スタッフです。
人気フィットネスクラブになる鍵は従業員が握っていると言っても過言ではありません。
私は、調査と勉強のために様々なフィットネスクラブに入会し、ビジターとして利用していますが、その際に非常に気になるのが、フロントやマシンルームに立つスタッフの無駄話です。
スタッフ同士のコミュニケーションは大切ですが、業務に関係ないことをお客様に聞こえるように話すのは、いかがなものかと思います。
先日、ビジターで行ったフィットネスクラブで私はリカンベントバイクを漕いでいたのですが、その際に聞くつもりはないにも関わらずスタッフの方の世間話が聞こえてきました。
内容は実に稚拙で、
「どのユーチューバーが好きか?」
「どのユーチューバーが面白いか?」
「どもユーチューバーが一番稼いでいると思うか?」
という話でした。
会員様にユーチューバーの話を振られて、その流れでスタッフとすれ違う瞬間に「知ってるユーチューバーとかいる?」と一言話す程度なら問題ありませんが、そのフィットネスクラブのスタッフは
40分もの間ずっとその話しを続けていました。
もちろん、その間にも入会間もない会員様が、マシンの使い方が分からずキョロキョロしていますが、全く気づきません。
私が知る限り、WEB上でのフィットネスクラブの口コミでは少ないですが、飲食店口コミサイトやレビューを見ると
「従業員同士が無駄話ばかりして手を上げても気づいてくれない」
といった、スタッフ同士の世間話を不快に思うと書かれているのをよく目にします。
私は、従業員同士はもちろんのこと、お客様とも世間話や無駄話はしてはいけないと考えています。
フィットネスクラブにはスタッフとのおしゃべりを楽しみに来ている方もいます。でも…
もちろん、お客様から話を振られて、その内容について無下にするのはいけません。
話に来られている高齢者の方も多いのは確かです。
しかし、フィットネスクラブに来られるお客様は、健康になるために、元気になるために、痩せるためにお金を払って下さっているのですから、
従業員はそのニーズに応える必要があります。
例え、会員様から先日のテレビの話を振られても、お孫さんの話を振られても、
「あの番組に出ていたタレントさん、フィットネスクラブで体鍛えてるそうですよ。これこれこういうトレーニングしているところ見ましたよ。」
「お孫さん何かスポーツされているのですか?最近は子供さんの浮指が問題になっているそうですね。」
と健康や運動に関わることに話を進化させる話術が必要です。
話をすり替えるのではありません。
話を進化させるのです。
これは、かなり意味合いがことなります。
フィットネスクラブスタッフはプロとしてのトーク力を磨く必要がある
極端な例ですが、先日のテレビの話をされて、「そんなことより、〇〇さん痩せました?」と言ってしまうのは、話のすり替えです。
話を進化させるというのは、お客様がはじめた世間話を
“いい話聞いた”
“ためになった”
と感じていただけるような話に持っていくことです。
お客様が
「何かスタッフの方が話してるけど、トレーニングの参考になりそうな話だな」
と聞き耳を立てたくなるような話であったり、
「〇〇さん(会員様のお名前)は、血圧が高いので有酸素運動をされている時は、気を付けて脈拍を見るようにして」
と会員様のことを気にかけていることがお客様に伝わるような話をスタッフはするべきです。
トーク力、ひとつで会員様の継続率を上げることは可能です。
経営者がいくら立派な理念やミッションを持っていても、フィットネスクラブのほとんどの価値は現場スタッフが作ります。
そして、その評価はお客様が決めることです。
スタッフ同士の話し方や内容について指導していないのであれば、研修等でしっかりと指導すべきです。
従業員は、親切、丁寧、マシンの使い方を知っているという当たり前のことだけでなく、プロとしての運動指導力、健康知識、そして、トーク力をアップさせることもフィットネスクラブのブランディング法のひとつではないでしょうか。