世界的に見ても、日本のフィットネスクラブの数は非常に多いです。
具体的に言うと、世界で5番目にフィットネスクラブの軒数が多いです。
これはフィットネスクラブと呼ばれる施設の数だけを指していますので、
“フィットネス=運動、スポーツ”
と捉えると、地域の体育館のスポーツ教室、ヨガやダンス、ボルダリングスタジオ、武道の道場、格闘技ジム、サロネーゼ的に自宅で運動指導をしているところも運動が出来る場として考えると、もっと世界的に見て最も運動できる場のある国とも言えるのではないでしょうか?
日本のフィットネスクラブは飽和状態
24時間フィットネスの出現により、フィットネスクラブの数が一気に増えました。
既に価格競争になってしまい、24時間フィットネスも衰退期に入ろうとしていると感じています。
「いつでもいける」=「いつも行かない」
と気付いて24時間フィットネスを退会する人は増えてくるでしょうし、
施設数が増えることで、無人であることが問題視されることが予測されます。
春先になると、どのフィットネスクラブも、一か月目の会費を無料にして、入会キャンペーンを謳った新聞折り込みを行いますが、いつまでもこの集客方法では、頭打ちになることは間違いありません。
様々な企業もフィットネス業界に年々参入してきます。
フィットネス、スポーツだけを生業としているフィットネスクラブは本当に少なくなりました。
これからは、フィットネスクラブは、収入のチャンネルを増やしていく必要があります。
フィットネスクラブもマネタイズ
会員様からいただく会費以外で利益を得るためには、フィットネスクラブ運営企業は、マネタイズにも意識を向けるべき時代となりました。
もう既にアプリなどで導入している企業も多数ありますが、他の業種に比べるとまだまだ遅れていると感じます。
マネタイズとは?
マネタイズの意味は、元来、金属を熱して溶かし型に流し込んで貨幣を作り出す“貨幣の鋳造”または、“通貨基準を定める”ということでした。
その言葉が、2007年頃からは、“インターネットで収益を上げる”という意味で使われるようになってきました。
マネタイズの方法としては、
・無料コンテンツのなかに有料コンテンツを組み合わせることで利益を得る。
・広告収入が入る仕組みを作る
ことです。
バナー広告、アフィリエイトなども、マネタイズですが、フィットネスクラブには不向きだと思います。
フィットネスクラブでマネタイズするなら
私が書投げるフィットネスクラブのマネタイズは、
“課金モデル”
“ECモデル”
“仲介モデル”
の3つです。
課金モデルは、ユーザーに使用料を払ってもらい利益を上げる方法です。
スマホのゲームや学習アプリのほとんどがこの手法になります。
ニュースアプリで一部は無料の記事として読めるようにし、
一部は、有料会員にならないと、記事を読むことが出来ないというのも、課金モデルになります。
私も利用していますが、リクルート社のスタディサプリは非常に上手く作りこまれていると感じています。
既にAIがパーソナルトレーナーとなってアドバイスしてくれるアプリは存在しますが、トレーニング方法だけでなく、レッスンプログラムや泳ぎ方のハウツーなどを見るだけでなく、採点やアドバイスしてくれるものにオリジナリティを出すことが出来れば、利益を生むことが出来ると思います。
次に、ECモデルです。
ECモデルというのは、ヤフーや楽天のようなショッピングサイトやメルカリやラクマのようなフリマアプリ。
手作り商品のみを販売することが出来るミンネなどが、その例です。
今までに、フィットネス動画やダイエットハウツー動画を出品社に商品としてアップロードしてもらい、
ダウンロードされると手数料で利益を得るというサイトはいくつもありましたが、どこも長続きしませんでした。
しかし、それらは、ユーザーの分析やマーケティングが足りず、対象となる顧客の焦点を絞ることが出来なかったためだと思います。
ビッグデータから、市場分析をしっかりと行い、ハウツーだけでなく、トレーニング用品のみを販売するサイト、手作り商品のみを販売するといったアプリ、
「~を探すなら〇〇アプリ」
と呼ばれるものにすれば勝機はあると思います。
最後に、仲介モデルです。
いわゆる、マッチングアプリなどです。
ショールーム、ココナラといったものがこれらの分類になります。
パーソナルトレーナーと顧客を繋ぐサービスはいくつもあります。
私もいくつも登録していますが、どのサービスからも新規顧客が見つかったことはありません。
私個人的には、フィットネスクラブが、新規入会者の入会時にアンケートを徹底して取り、会員様のニーズに答えることが出来るトレーナーを紹介することが出来るものがあれば良いのな、と思ったことがあります。
「そんなことをすれば、退会者が増えるだけ」
と言われそうですが、24時間フィットネスなどで、インストラクター不在時にしか来れない人に対し、
パーソナルトレーニングとしてのメニューを作り、フリーのインストラクターや日頃指導を受けることが出来ないようなどこかのスポーツチームに所属しているようなトレーナーを呼んで、その24時間フィットネスで個別指導を受けることが出来る、というサービスがあれば、受けてみたいという人も存在するはずです。
マシンのみ、スタジオプログラムのみのフィットネスクラブも増えてきましたが、
フィットネスクラブ業界は、未だに、マシン、スタジオ、プールがあって、その施設にお客様を呼ぶだけ。
というビジネスが続いているように感じます。
固定概念があり、その施設すら有効活用出来ていないとも感じています。
フィットネスクラブ運営企業は、マネタイズを意識すべきではないでしょうか。