先日、某有名24時間無人フィットネスで窃盗を繰り返していた18歳の男性が逮捕されたというニュースを見ました。
犯人は窃盗するために入会し、今までに30件ほど窃盗したとのことでした。
恐らく30件以上しているかと思いますし、今まで報道されなかっただけで日本中で起きていたものだと思いますし、逮捕された犯人以外にも全国にもっとたくさんの似たような犯罪者がいると思います。
全ての被害者がフィットネス側に連絡していたとしたなら、防犯カメラの映像があるにも関わらず被害件数が30件以上になるまで、何故、犯人を見つけることができなかったのか?
この24時間フィットネスは、対策としてどうすべきだったでのしょうか?
また、24時間フィットネスで無人のジムは防犯面でどのような対策を取っていくべきでしょうか?
本日は、今回の窃盗事件から無人ジムが取るべき対策と今後検討すべき対策について考えたいと思います。
防犯対策としてどうすべきだったか?
今回の事件は、無人ジムにおけるセキュリティ対策の重要性を改めて浮き彫りにしました。
このようなことが起きることは誰もが予測していたと思いますが、対策を取らなかったこと自体が不思議でなりません。
以前から検討すべきだった対策としては、以下のような点が挙げられます。
・施錠機能付きロッカーの設置
窃盗事件のあったフィットネスには、会員の荷物置き場として簡易な棚しかありません。
鍵付きのロッカーがなければ遅かれ早かれこのような事件は必ず起きることは容易に予想できました。
鍵の持ち帰りなどを防ぐためにキーレスのダイヤル錠やICカード式のロッカーを設置すべきでした。
・防犯カメラの増設と高機能化
荷物置き場を撮影するための防犯カメラを設置し、カメラの死角をなくすように防犯カメラの設置数を増やす必要もありました。
また、費用はかかりますが、AI機能を搭載した防犯カメラであれば、不審な行動を検知し、アラートを出すことも可能です。
防犯カメラの中には、データを上書きするタイプもありますので、営業時間の長い24時間フィットネスでは、保存容量の大きいものやクラウド上にデータ保存できるものを設置した方がよいです。
・入退室管理の厳格化
QRコード認証の入室管理ではなく、顔認証システムや指紋認証システムなど、より高度な生体認証を導入することで会員以外の不正な入室を防ぐだけでなく、入室中の行動を管理することができます。
入退室の記録を詳細に残し、被害のあった時間帯の利用者を監視し、怪しいとされる人物が入室した際に監視する必要があります。
・巡回警備の強化
人件費を抑えるために無人にしているかと思いますが、犯罪を防ぐためには、巡回警備を実施する必要があります。
その巡回時間も直ぐにバレてしまいますので、時間を極めずに不定期に巡回する必要があります。
そもそもフィットネスだけでなく、無人サービスの限界が近づいているかと思います。
・緊急通報システムの設置
ジム内で非常事態が発生した際に警備会社や警察に迅速に通報できる緊急時ボタンなどを設置し、緊急時の対策体制を整える必要があります。
・会員への注意喚起
貴重品を鍵のない棚に置くことも不思議ですが、貴重品は必ず持ち歩く、ロッカーを使用する際は必ず施錠するなど、会員自身に防犯意識を高めるための注意喚起を徹底する必要があります。
・損害保険への加入
窃盗被害に遭った会員への補償を含めた損害保険への加入を検討する必要があります。
・清掃の徹底
環境犯罪学という学問の中に「割れ窓理論」というものがあります。
建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないと思われ、他の窓もまもなくすべて割られてしまうというものです。
ゴミが放置されていてば、ここはゴミを捨ててもよいと思い、他の人もゴミを捨てるようになるということも同じことです。
事実としてゴミの多い街では犯罪率が高いということがあります。
事件のあった24時間フィットネスは、清掃スタッフもおらず、会員に会費を割り引きする代わりに清掃をしてもらっています。
そして、Googleビジネスプロフィールの口コミでも「汚い」という評価が非常に多いです。
このような状況では犯罪被害が起きることは当然です。
いかがでしょうか?
飽和状態であるにも関わらず24時間フィットネスは、様々な異業種も次々と参入しています。
無人ジムは利便性が高い一方で、セキュリティ対策が不十分な場合、犯罪の標的となりやすいというリスクがあります。
今回は、窃盗でしたが、今後はもっと重大な事件が起きる可能性がないとは言えません。
今回の事件を教訓に24時間フィットネス事業者はセキュリティ対策を徹底的に見直し、強化していく必要があるのではないでしょうか。