価格破壊、ディスカウント競争が激化したビジネス業界はその後どうなるか?
フィットネス業界は、施設数が増えたことにより、会費を安くするディスカウント競争の時代にあります。
フィットネス業界に限らず、価格破壊、ディスカウント競争が激化したビジネス業界は、その後どうなるかを考えてみましょう。
1. 淘汰が進み、企業数が減少する
価格競争が激化すると、多くの企業が収益悪化状態に陥ります。
資金力や経営力のない企業は淘汰され、企業数が減少する可能性があります。
個人事業としてフィットネス施設、スポーツ教室を経営している人にとっては、益々厳しい状況に置かれることになると思われます。
2. 業界再編が起こる
生き残った企業は、規模拡大や事業統合などを通じて、業界再編が起こる可能性があります。
超有名フィットクラブの中にも次から次へと経営母体が変わっているクラブもあります。
それだけ、フィットネスクラブの経営は大手でも難しいということが分かります。
3. 高付加価値戦略への転換
価格競争から脱却するため、高付加価値戦略への転換が起こる可能性があります。
飲食ビジネスが良い例です。
薄利多売から、高級路線へと変更したお陰で息を吹き返した企業もあります。
4. ニッチ市場への特化
フィットネス業界において、24時間、パーソナルトレーニングというのは、昔はニッチなものでしたが、今では当たり前のものになっています。
今後は、特定の顧客層に特化したよりニッチ市場への特化が起こる可能性があります。
5. オンラインビジネスへの移行
コロナでフィットネス業界のオンラインサービスが当たり前になりましたが、形を変えてオンラインビジネスへの移行が起こる可能性があります。
ひょっとするとクラブに行かなくてもいいようなサービスが当たり前になり、大型クラブは、非常に苦しい戦いをしいられることになるかもしれません。
他業種の例
価格破壊、ディスカウント競争が激化したビジネス業界は、その後様々な変化が起こっています。
・タクシー業界
配車アプリの登場により、価格競争が激化。
その後、淘汰が進み、企業数が減少しM&Aも活発化。
・旅行業界
格安航空会社(LCC)の登場により、価格競争が激化。
その後、企業数が減少し、オンライン旅行予約サイトが主となり、旅行代理店のビジネスモデルが変化。
・家電量販店
ネット通販の台頭、そして価格比較サイトの人気により、価格競争が激化。
その後、合併する企業も増え、企業数が減少。
DX化が進み、独自のサービスや体験型店舗への転換を進めている。
フィットネス業界は、20年、30年前と同じ集客方法で未成熟な業界です。
今までになかった新しいサービスを提供することで、生き残るための方策が見つかるはずです。
フィットネス業界のライバルは、他のフィットクラブだけではありません。
競争力を強くし、時代の変化に対応していく力が必要です。