「AIが発展とともになくなる仕事がある」
「多くの人がAIによって仕事が奪われる時代が来る」
といった不安を煽るコラムをよく目にするようになりました。
今、自分がしている仕事がAIに取って代わられる可能性があるのか?
ということは誰もが一度は考えたことがあることと思います。
資料整理や文字入力、機械類の操作等の仕事は既にAIに代わっていっている業種も増えてまいりました。
それでは、私たち、フィットネスインストラクター、スポーツトレーナーの仕事はどうでしょうか?
AI(人工知能)にフィットネスインストラクターの仕事が奪われるのか?
少し前のスマホの健康管理アプリやトレーニング補助アプリは、歩数計や運動量
を測定し、それをグラフ化出来るくらいでしたが、
今のアプリには、AIがパーソナルトレーナーとなり、毎日の運動量や体重や
体脂肪の増減によって、あれこれアドバイスしてくれるにまでに進化しました。
大手フィットネスクラブにも、スマホにアプリをダウンロードしてもらい、
そのスマホをトレッドミルやエアロバイクに設置し、同期化させて会員の運動状
況を管理するというサービスを始めているクラブも増えてまいりました。
もはや、マシンの使い方やフォームを指導するだけのインストラクターは必要なくなっています。
24時間フィットネス等の大頭により、インストラクターの存在しない、無人フィットネスクラブが当たり前の時代でもあります。
こう考えると、フィットネスインストラクター、スポーツトレーナーの仕事は、AIに取って代わられることは間違いありません。
スタジオレッスンもホログラムのインストラクターが担当するという時代も遠くはありません。
既に、自転車エクササイズ系のレッスンプログラムは、大画面の映像を見ながら、レッスンを受けるものが非常に多いです。
いつの時代もテクノロジーが発展すると、なくなる職業があります。
しかし、その度に新たな職種が増えたことも間違いありません。
職を失ったインストラクター
今、フィットネスインストラクター、スポーツトレーナーの人達が職を失った時には、何が出来るでしょうか?
会員様にマシンの使い方だけを指導し、アルバイトのシフト表だけを作成していたインストラクターは、全く必要なくなります。
新たに生まれる職種を指を咥えて、待っているだけでよいのでしょうか?
生身の人間であることの価値とは何なのか?を真剣に考える必要があります。
それではフィットネスインストラクターはどうすべきか?
フィットネスインストラクター、スポーツトレーナーが、AIに仕事を奪われないためには、
“人でしか出来ないこと”
に磨きを掛ける以外にありません。
コミュニティとしてフィットネスクラブやスポーツ施設を利用されているお客様には、
インストラクターがコミュニケーション能力をアップさせ、サービス、ホスピタリティを向上させること。
正しい運動指導方法を運動指導者に期待しているお客様には、
スマホやタブレットの画面では、伝えることが出来ない細かい技術指導が出来るようになることです。
一目見ただけで、出来てしまうことには、インストラクターは必要ありません。
トレーニングマシンひとつ取っても、マニュアル通りの椅子の高さと重さの調節の仕方を指導するだけでなく、
お客様一人一人の手足の長さや体の柔軟性、運動をした際の脈拍や血圧、過去の疾病、その日の体調等に合わせて、毎日異なった指導が出来る知識が必要になります。
多くのフィトネスクラブは、アルバイトスタッフにトレーニングマシンの使い方を研修で教えただけで、
「はい、明日からインストラクターね」
と言って現場に立たせます。
誰でも簡単にプロになることが出来るフィットネス業界を嘆いていても仕方ありません。
フィットネスインストラクター、スポーツトレーナーがAIに仕事を奪われないためには、企業がインストラクターの指導力、ホスピタリティ力をアップさせる必要があります。
ひょっとすると、人件費よりもAI導入費用の方が安価であると考える企業も既に存在しているかもしれません。
フィットネスインストラクター、スポーツトレーナーは、一人一人がプロ意識を上げ、
“自分の代わりはいない”
と自信を持って言えるプロの仕事をすることが生き残る道なのではないでしょうか。