フィットネスクラブ、スポーツジム、各種スポーツ施設の売り上げを上げるためには、スタッフのセールストーク、クロージングテクニックが重要です。
私の経験だけで言わせていただくとスタッフの研修として、セールストーク、クロージングを指導しているところが非常に少ないと感じています。
いいえ、一社を除いては、一切何もしていないように感じています。
調査と勉強のために日々、様々なフィットネスクラブやスポーツ施設に行きますが、30年以上変な接客しかされたことがありません。
いくら立地が良くても、いくら施設が素晴らしくてもスタッフのセールストーク一つで台無しになることもあります。
フィットネスクラブやスポーツ施設に、それほど興味があった訳でもないが何気なく見学に来た人に入会していただく、体験に来られた方に入会していただくことが、売り上げを上げる最も効率の良い方法になります。
フィットネスクラブ、スポーツ施設は、サービス業であり、営業が最も重要であることを意識しているスタッフは非常に少ないと思っています。
少し前に私があるフィットネスクラブにビジターとして行った時に見学に来た、何十年も運動をしていないと話す老夫婦に対して、置いているスミスマシーンに何キロの重量を付けることができるかを自慢げに話しているムキムキのスタッフがいました。
恐らく、その老夫婦は、入会されたとしてもスミスマシーンは使わないでしょうし、使うとしても高重量を使用することはないと思います。
このように接客自体がズレているシーンをよく見かけます。
お客様に見学や体験申し込み時にアンケートを書いていただくにも関わらず、一切、活用されていないと感じています。
見学に来た人に入会してもらうためのセールストーク、クロージングテクニックで重要なポイントは?
1.見学・体験者のニーズを把握する
見学や体験に来られた人は、どのような目的でフィットネスクラブやスポーツジム、その他スポーツ施設に入会したいと思っているのでしょうか?
ダイエットや筋トレ、ストレス解消、自分を変えたい、自分に自信を持ちたい、趣味を作りたい、怪我や病気のリハビリなど実に様々です。
それぞれの目的に合わせて、セールストークやクロージングテクニックを変える必要があります。
見学や体験中に、お客様のニーズを把握するためには質問すべき内容があります。
・フィットネスクラブに入会したいと思ったきっかけは?
(但し、これは本音を言わない人が多いです)
・フィットネスクラブで何をしたいのか?
・どのような効果を期待しているのか?
2.自社の現状や歴史、魅力、どういう方に来ていただきたいかを伝える
・設備や施設の充実度
・レッスンの種類や質
・スタッフの対応やサポート体制
・在籍する他の会員様の層や雰囲気
(過去、現在に在籍していた会員さんの具体的なエピソードや数字などを交えて伝えるとより効果的です。「〇〇キロ痩せた」「〇〇という大会に出場した」)
3.入会することのメリットを強調する
・目標を達成できる
・健康や美容につながる
・楽しい時間を過ごせる
見学・体験のお客様の中にはポーカーフェイスで何を考えているか分からない場合が多いですが、その多くが「もし入会したらどうなるだろう」と想像しているため上の空のような様子に感じてしまうこともあります。
スタッフが「この人は入会する気がないな」と決めつけることなく、具体的な質問をすると良いと思います。
「入会のご意向はいかがでしょうか?」
と直接入会の意思を確認する
「入会することで、○○のような効果が期待できますが、何か気になっていることがございますか?」
とお客様が何が気になって入会を決めかねているのかを聞き出す必要もあります。
施設によってコンセプトや雰囲気が異なるため具体的には、各々が見つける必要がありますが、見学・体験者の不安や疑問を解消し、入会を決断しやすい雰囲気を作ることが重要となります。
トレーナー、インストラクターは、営業が苦手な方が多いです。
フィットネスクラブの経営側がスタッフに営業成績を付けたり、ノルマを作ることは離職率を上げることになります。
各フィットネスクラブ、スポーツジム、スポーツ施設でスタッフ任せになることなく、セールストーク、クロージングマニュアルを作成し、1年に1度は研修を行うことをお勧めします。
フィットネスクラブ飽和状態の今、セールストーク、クロージングに力を入れるクラブが一人勝ち出来るのではないでしょうか。