フィットネスクラブの商圏について考え直す

商圏とは、フィットネスクラブが、どの地域のどの範囲から会員を獲得しようとしているか?

という範囲のことです。

経営者の皆さんは、もちろんご存知の言葉です。

商圏を様々な条件や角度から設定することによって、はじめて集客方法を考えることが出来ます。

本日は、この

『商圏』

について考え直してみたいと思います。

私たちのフィットネスクラブの商圏の市場規模はどれくらいなのか?

これを理解していなければ、売り上げ目標を立てることも出来ません。

人口、年齢層、世帯所得、消費者の特性などを把握するだけでなく、競合相手の数や地域の特性を把握することができます。

ここで大切なことは、

“商圏=人口を知るための手段”

ではないということです。

ネットで商品を販売するのであれば、商圏を決めることは非常に難しいですが、店舗型であるフィットネスクラブは、

“商圏に何があるか?”

“商圏の消費者行動”

“商圏の導線”

といった様々な角度から考えることが重要となります。

自社のフィットネスクラブの商圏調査を再度行うことをお勧め致します。

商圏調査とは?

1、人口特性(年齢、世帯数、男女別人数、所得)

2、交通量

3、通行量

4、立地

5、施設調査(競合店を含む、商業施設、体育館等も含む)

6、導線調査(地域に住む人の行動把握)

商圏を経営者だけが把握していてもいけません。

チラシ配布をするスタッフの皆さんが、商圏を把握していなければ、チラシも配布する労働力も無駄にしてしまいます。

皆さんのお店の商圏範囲はどこからどこまでですか?

商圏には、どんな年齢層の人が住んでいますか?

商圏には、何世帯あり、何人の人が住んでいますか?

という質問に、スタッフの皆さんは、答えることが出来るでしょうか?

店長、マネージャークラスでも知らないというフィットネスクラブも多いのではないでしょうか?

自分のフィットネスクラブが、どんな地域で出店しているのか?

どのような状況下で商売しているのか?

を知らずして、宣伝方法や集客方法が分かるはずがありません。

全国にチェーン展開しているお店や本社がフランチャイズ店の出店場所を探してくれる企業は、ビッグデータから、商圏の情報を正確に把握している企業が非常に多いです。

誰でもマーケティング、商圏調査出来る

総務省統計局が、

『e-Stat』

というサイトを立ち上げています。

もちろん無料で使うことが可能で、人口だけでなく、その地域の平均余命等まで知ることが出来るサイトですので、これを使わない手はありません。

商圏で知っておくべき数字

数字だけを見ていても、商圏を知ったことにはなりません。

1、世帯数・・・商圏内にどれくらいの世帯があるのか?

2、世帯人数・・・人口÷世帯人数。世帯人数が低い程、単身世帯が多く、高い程、ファミリー層が多く住んでいるということがわかります。

3、年齢別人口・・・年齢別で人口。そもそも自社が対象としている年齢層が多く住んでいるのか?

4、人口増減・・・人口が近年増えているエリアなのか?減っているのか?

5、所得・・・所得の高い層がたくさん住んでいるのか?低い層が多く住んでいるのか?

6、家計品目別支出・・・世帯毎の1ヶ月にいくら支払っているのか項目毎にわかります。

7、昼夜間人口・・・都市部では、昼と夜の人口が変わります。

商圏バリアの存在を知る

商圏には、

『商圏バリア』

というものが存在します。

商圏バリアとは、店舗に来店するにあたって、お客様が来店の障害となるものです。

1、山

2、大きな河川

3、線路

4、駅

5、大型の施設(学校、工場、公園、行楽施設、商業施設等の背後の商圏)

6、危険な道路

私が住む地域では、駅の南側に住む人は、駅の北側に行くことがほとんどありません。

何故か、駅の北側に住む人は、駅の南側にも行きます。

4車線の大きな道路がある地域があり、小学生等は、子ども同士だけでは、その道路を超して遊びに行ってはいけないという家庭が多いです。

たくさんの人が住んでいても、商圏バリアのために、そのエリアからの集客を見込めないケースもあります。

商圏調査で最も重要なこと

商圏調査は、大切です。

でも、本当の商圏調査は、パソコンで数字を見るだけでなく、

『自分の足で感じること、その地域に長年住む人たちの声を聞くこと』

です。

「開業前にマーケティングとして、商圏調査した」

と驕らずに、もう一度、商圏調査を行ってみることをお勧めいたします。