フィットネス業界の問題点を解決するには?

前回、フィットネス業界には、改善すべき大きな問題があるということをこちらのブログに書きました。

それは、フィットクラブやスポーツジムは、

「会費という対価に見合う価値を提供していない」

ということです。 

学習塾やお稽古事、スクールに置き換えて考えると極々当たり前のことになりますが、成績のアップしない学習塾や成果の出ないスクールを継続する人はいません。 

しかし、フィットネスクラブ、スポーツジムは、成果を出さなくても継続し続ける方も存在します。

「いつか行ける」と考える方、ステータスとして通っていて行かなくても継続する方、入会したことを忘れていると実に様々な理由で継続される方が多いです。

フィットクラブ、スポーツジムが、地域や社会から必要とされる存在になっていくためには、フィットネスクラブに求められる基本的な価値を提供していくことが必要だと考えます。

これは、フィットクラブに働いている人たち、インストラクター、トレーナーの社会的地位を上げるためにも絶対に必要なことです。

そもそも何故そのような問題が起きているのか?

それは、スポーツマネジメントに精通していない企業が出店していることや現場のマネジメント不在、現場にビジネス感覚がないスタッフを設置していることが考えられます。

私も様々なフィットネスクラブで働いてまいりましたが、どのフィットネスクラブも売上意識が非常に希薄です。

そもそも、多くのフィットネスクラブやスポーツジムは、上層部が売り上げなどを現場スタッフに公表しておらず、経営状況は知らない現場スタッフだけでクラブを運営しているのが現状です。

このような状況では、クラブ運営の現場にマネジメントが欠落するのは当然のことです。

フィットネスクラブは元祖サブスクと言っても良いと思います。

会費が売り上げになりますので、会員さんがどれだけ継続してくださるかは誰にも分かりませんので、売り上げ目標などの計画を立てることが困難であることもあります。

しかし、この売り上げ構造こそが、現場スタッフの「売り上げを上げる」という意識を無くしている原因だと思われます。

また、インストラクター、トレーナーは職人気質の人が多く、運動指導は好きなもののマネジメントには興味がない人が多く、ビジネス感覚も希薄な人が多いです。

私がマネージャーを務めていたフィットネスクラブでは、「ビラ配りやポスティング業務は絶対にしたくない」という困ったスタッフが何人もいました。

インストラクターは、運動指導だけをすればいいと考えている人が多いのも確かです。

また、マネジメントだけではなく、日頃トレーニングなど全くしていないトレーニング知識のない人をインストラクターとして現場に配置してしまっていることで成果を出すことなど初めからないように感じるクラブも非常に多いです。

「フィットネスクラブの基本的な価値」

を提供することができているフィットネスクラブ、スポーツジムは、非常に少ないのが現状です。

適切なマネジメントを行うためには?

他のビジネスでは当然の事ですが、毎日の売り上げ、習慣売り上げ、月間売り上げを全スタッフで共有すべきです。

細かい経費や粗利などは、企業秘密で末端のスタッフにまで伝える必要はないかもしれませんが、例えば飲食店で働くアルバイトスタッフでもあまりにお客さんが来なければ

「自分のお給料はきちんともらえるのか?」

と危機感をもつはずです。

年間の売り上げ目標、そして計画、日、週、月、単位での売り上げやマネジメントを適切に行えば、フィットネスクラブの収益性は高まるはずです。

もし、そうすることでプレッシャーを感じたスタッフが辞めていくのであれば、それこそフィットネス業界に未来はありませんし、AIに頼る以外ありません。

しかし、それでは、「フィットネスクラブの基本的な価値」を提供していると言えないと思います。

人とのコミュニケーションも重要な価値に当たります。

どの業界も人手不足と言いますが…

フィットネス業界に限らずどのようなビジネス業界の方とお話させていただいてもよく耳にするのは「人がいない」ということです。

フィットネス業界には、フィットネスクラブに多くの人が働きたくなる「仕組み」が必要です。

社会人が転職を考えた時に

「フィットネスクラブで働こう」

「インストラクターになろう」

という選択をする人は非常に少ないです。

それは、職業として確立されていないからだと思います。

フィットネス業界は、フィットネクラブ、スポーツジムで働くということがどういうことなのか?

どのようなやりがいがあって、どのような社会貢献を果たしているのか?を広く伝えるべきです。

また、働く人にスポットを当てることも必要ですし、雇用面や収入面などの公表することも重要だと思います。

「企業は人なり」

と言いますが、フィットネス業界は、逆行しているように感じます。

フィットネクラブ、スポーツジムはよりビジネスとしての情報を開示し、インストラクター、トレーナーを数多く育てることで

「フィットクラブで働きたい」

と考える人を増やすことも重です。

質の良いインストラクター、トレーナーが増えれば、その人たちが自分たちの社会的地位を向上させるためにマネジメントを勉強し、売り上げをあげるために知恵を出すようになるはずです。

そもそも働く人の数が少ない業界、アルバイトばかりの業界のままでは、フィットネス業界の未来はありません。