私たち、フィットネス業界、スポーツ業界、健康産業に関わる者にとっては、品人の健康意識が高くなること、運動意識が高くなることは非常に大切なことです。
しかし、現状は多くの日本人の健康意識は低いです。
これは海外から比べて見てもきちんとしたデータもあります。
私は、病院に行っても3割負担だけで済むので
「運動不足で病気になっても病院行けばいいや」
「血圧高いなら降圧剤飲めばいいや」
「運動みたいなしんどいことするくらいなら病院行くわあ」
という考えの人や無意識にそう考える人が多いのではないかと感じています。
でも、何故、多くの日本人の健康意識、運動意識が低いのは何故でしょうか?
また、どうすれば意識改善することができるようになるでしょうか?
本日は、このことについて考えてみたいと思います。
「時間がない」という意識
最も一般的な理由がこれではないでしょうか?
仕事場への移動時間に加え、仕事場の拘束時間が長く、帰宅後の家事・育児・介護など、仕事以外の時間も忙しいため、自分のための運動時間を確保することができない。
このような状況によって自分に時間がないことを夜に取り戻そうとするリベンジ夜更かしによって更に寝不足になり、運動しようという気力はなくなると思います。
そして、睡眠不足により上手く疲労回復しないため益々不健康になっていきます。
生活の利便化
交通手段の発達や家電の普及、また各種サービスの向上により人は体を動かす機会をどんどんなくしていっています。
エレベーター、エスカレーター、自動車、リモコンなどは昔から存在しますが、電動アシスト自転車、車や家の鍵のドアのキーレス、電気や水道のタッチレス、食材の配送、通販の発展、AIの発達等により、日常生活の中で身体を動かす機会が極端に減少していることは間違いありません。
和式トイレがなくなったり、ベッドで寝る人が増えていることも体を動かす機会が減っている要素だと思います。
面倒くさいという心理的な壁
テレビ番組の中には、常に健康番組が存在し、バラエティやニュースなどでも健康情報は放送されます。
多くの人が、健康であることの大切さ、運動の必要性は認識しつつも、実行に移す人は少ないです。
どこか他人ごとに考えたり、多くの人が大人になればなるほど言い訳上手になり、やらない理由を見つける天才になります。
何でも直ぐに面倒くさいという思考を持つ人は、何を聴いても見ても意欲や動機に紐付けしない人が多いです。
運動への消極性・疲労感
既に家事や仕事で疲れているため、運動によって疲れることへの抵抗感を感じる人もいます。
また、しんどいことはやりたくないという怠惰性が高い人が多いことも考えられます。
また、運動に対してネガティブな経験のある人も体を動かすことに億劫になってしまいます。
子ども時代や学生時代の体育やスポーツで苦手意識を持ってしまった経験が、大人になってからの運動への苦手意識や自信のなさに繋がっている場合があります。
何をすればいいか分からないという知識や機会の壁
運動の選択肢として「本格的なスポーツ」や「ジム通い」という発想しか思いつかず、自分に合った運動を見つけられない人が多いことも考えられます。
これは、偏った情報しか見ていない情報不足と運動経験の低さから、ジムやスポーツサークルに入るのことに対しハードルが高いと感じてしまいます。
また、自分自身の運動能力や体力レベル、健康状態に合った運動方法の知識が不足していることも原因の一つだと考えられます。
一人で始めることの不安
一緒に運動やダイエットなどをする友人や仲間がいないことも運動をしない理由の一つとして考えられます。
何でも一緒にする人がいないと行動できない人は、この問題が最も重要なのかもしれません。
ただ、私の経験だと2人、3人などでフィットクラブやスポーツスクールに見学や体験に来られる人は、「誰かが始めないのなら自分もやらない」「自分はやってみたいけど友達は入会しないなら自分もしない」という人が多いです。
ですから、何か始める時は、「一人でもやる」という考え方に切り替える必要があると思います。
日本の予防医学、休養学の無知
健康になるには、運動と栄養と休養が必要です。
日本には、運動に対する学問、運動生理学もありますし、栄養に対する学問、栄養学もありますが、休養に対する学問はほとんどありません。
最近でこそようやく休養や睡眠についてメディアでも取り上げられることが増えてきました。
子どもの頃から、病気にならないための予防医学を学校で学んでいないことも問題だと思います。
メディアで紹介されることによって、一部の日本人は健康に関心を持つようになってきましたが、それが行動に結びついていないことが問題だと思います。
健康への関心が高い人たちでも、たまに体に良い食材を摂ったりサプリメントを摂取するくらいではないでしょう。
やらなくても誰からも何も言われない風潮
最近は、何でも「~ハラスメント」と言われるので体形や見た目について他人から何か言われることは少ないです。
また、「あなたはあなたのままで良い」「自分を褒めてあげましょう」と言った自己肯定感を高くする文化になりつつあります。
このため人は、自分に甘い人がどんどん増えていることが考えられます。
正常性バイアスの影響
「自分は大丈夫」という考えや「まだ大丈夫」「何とかなる」「その時はその時」という考えは、自分を守るために起こる自然な現象でもありますが、これは危険な考え方でもあります。
これは、「病気になってから慌てる」ことになり、必ず後から「やっておけばよかった」と後悔することは間違いありません。
健康でいるための行動、病気を予防するための行動をとるためには、少々、心配性の方が良いですし、病気は早期発見の方が良いに決まっています。
いかがでしょうか?
今回は、健康というよりも運動意識の低い人が多い理由が、主な内容となってしまいましたが、私たちフィットネス業界、スポーツ業界、運動指導者にとっては、運動をする人が増えた方が良いですし、日本も良い国になります。
次回は、ではどうすればこれらを改善することができるか?を考えてみたいと思います。
本日もお読みいただきありがとうございました。